自分の家がどのくらい耐震性があるか、皆さんご存じでしょうか?
これまでもいくつかの大きな地震がありました。その時、ご自宅で体感された揺れはどうだったでしょうか?地震だけでなく台風などの強風時でも家が揺れることがあります。
今、話題になっている耐震診断とは、住まいの安全性を確認することです。
今回は築53年の木造住宅の耐震診断、耐震設計のポイントをわかりやすく説明します。
建物の調査で分かったこと
・建物の床に傾きがあり、南側に6cm下がっていた。
・木造だが構造が「はさみ梁構法」で、現在の耐震設計では診断不能であった。
・地震、台風で建物がゆれて心配
などのことから、大きな地震が来たらどうなるだろうと不安を抱かれていました。
現状図面を作成し、条件などを入力して総合評価を確認します。
この住まいの耐震結果は、評価点が0.37で0.7未満の「倒壊する可能性が高い」という評価になりました。その原因はやはり大きな窓が多いこと、耐力壁が少ないことでした。
図面1 現状図面
図面2 施工後
現状図面(図面1)と施工後(図面2)の図面を見比べてください。施工後の図面は耐震壁のブルーと黒の壁が多く、バランスよく並んでいることが一目でわかります。
ほぼ現状のままの改修でしたが、耐震設計の為、居間に新しい耐力壁Aを設けました。暮らしやすさか耐震性能かどちらを優先するか悩むところですが、今回はその目的である耐震性を優先しました。生活が不便になるような壁かもしれませんが、安全には変えられないとお客様も納得されました。この結果構造評点は0.92となり、1.0の「一応倒壊しない」に近づきました。
耐力壁A (施工中)
耐震金物と筋かい金物
工事中、耐震金物と筋かい金物を取付け、強くなった壁を見て住まいの安全を確認しておられました。「これで安心して生活できます。」と喜んでおられました。
★ご自身で診断してみるサイトもあります。
是非おためしください。
監修 国土交通省住宅局 / 編集 一般財団法人 日本建築防災協会