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No.16 機織りの町<京都府与謝野町加悦>

/ 100年住宅を考える

変わらない町並みと心

ちりめん街道の町並み。右の洋館は伊藤医院機織り (はたおり) の音を聞きに加悦 (かや) を訪ねた。
峻険な与謝峠を鉄橋で "まわり階段" のように盆地に下ると、国道176号線沿いに小さな町が続く。加悦には汽車公園がある。国鉄の線がこの町を外れたので、町で会社を作り電車を走らせた。その駅舎が記念会館として残っている。
加悦のちりめん街道沿いの公民館に車を止め、歩き始めると四人の小学生がさわやかな大きい声で挨拶をした。
残念ながら日曜日ということで機織りの音は聞こえなかった。ちりめん街道を探索しながら、どこかで機織りを見せてもらえないか尋ねた。
すると 「太田さんに聞くとわかる」 という。太田さんの家を訪ねると知り合いのところへ案内してもらった。幸運にも訪問先の奥さんが在宅であった。 「機織りの音を聞きたい!と尋ねてきたよ」 と太田さんが説明すると、丸田美千子さん (65才) は笑顔で恥らいながら 「こんな音を聞きたいのかね」 と実演してくれた。
紋紙という木のデータを送るちりめんのデザインは紋紙 (もんがみ) という木でできたデータを機織り機に送っている。丸田美千代さんと機織り機。このあと実演していただいた。スイッチを入れると大きな金属音が連続して、けたたましい音が家中に響いた。糸をかけた機が前後して生地を織る。データは階段を駆け上がるように登っていく。
デザインはすべて京都から送られる。そのセンスは玄関先の生け花の飾り方に生きている。 「この町で機織りを置いているところは三軒ぐらいになってしまった。昔は機織りの音が朝早くから夜遅くまで町全体に鳴っていた。」 十年前、町を挙げて中国へ指導に行った。やがて、技術を習得した中国は安いちりめんを日本に輸出し始めた。その影響で産業が途絶えた、という。
機を織って45年。嫁いで40年。義母さんは85歳で亡くなる五年前まで織っていた。美千子さんが嫁にきてから機織り機をもう一台増やした。機織り機で織った生地を見せてくださった。衝立の奥に神棚が見える。入れるときは天井を破って、小梁を切り、大梁を避け斜めに設置した。狭い玄関先で二台の織り機を二人で背中をつけるように仕事をしてきた。朝七時から夜の八時まで仕事した。
丹後の女性はよく働く。女性が苦労するので、最近は地元で嫁に行かず大阪などに出るという。
玄関から次の間の奥に、衝立を挟んで立派な和室が見えた。商家らしく大きな神棚がある。ご主人があつらえたケヤキの一枚板だ。
衝立の前に花が凛として生けられている。
消えて行く文化があるが、育てた土壌や人間は大切にしてきたものを今も生かしている。
秋祭りになると昔の賑わいが戻ってくる。 「今度いらっしゃい」 と丸田さんが若々しい笑顔で言った。

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