施工事例
概要
N様邸 高槻市 木造2階建 昭和52年 耐震補助金あり
耐震構造評点(完工後)1.02(一応倒壊しない)工事金額1,280万(耐震工事250万)
A様邸 豊中市 木造2階建 昭和32年(昭和61年大規模改修) 耐震補助なし
耐震構造評点(完工後)1.05(一応倒壊しない)工事金額1,300万(内耐震改修70万)
繋ぐ
今回取り上げた、二つのリノベーション事例は家族三代にわたる住まいの維持管理と家族の思いを取りあげました。
2018年の北大阪地震災害で被害を受け、耐震診断の結果、耐震改修を含めた大改修工事をすることになりましたが、その目的は孫が安心して住む家にしたいという共通した思いでした。
高槻市のN様邸は閑静な住宅地で駅近、買い物が便利で学校、病院も徒歩圏で生活しやすい環境にあります。N様は地震前、建て替えかリフォームかで迷っておられましたが、耐震診断の下見で大工、瓦職人が屋根、屋根裏、床下を点検した結果、壊すにはもったいない建物と言われ、意を強くしてリフォームを選択しました。ご相談中、親御さんが建てた時の出来事や工務店、大工とのエピソードを楽しそうにお話しされていました。工事が始まり壁や床を撤去して新築時の姿が現れると、N様は熟練した職人の技術力を知って、さらに安心したようです。工事が完成に近づくと、内装や門扉回りもきれいにしたくなったようです。完成後、遠方からもご親戚が集まり、新築時に戻ったお住まいで懐かしくくつろぐことができました。将来は姪御さんがお住みになる予定で楽しみにされていました。
豊中市のA様はご実家の近くでお住まいでしたが、息子さん夫婦が親の近くで住みたいと探しておられたことがきっかけで、空き家のご実家がどうかと候補になりました。ご実家は6LDKのゆったりした間取りに広い玄関が印象的で、南向きの広い庭がある素敵な住まいでした。懸案は築60年の中古住宅で耐震性に不安があったことですが、耐震診断、耐震設計の結果、耐震性能が0.5から1.05に上げることが可能と確認できました。また、床下収納や屋根裏収納から構造材や金物の点検が可能で、大規模改修時の施工を知ることができ、A様が安心してリフォームを決断することができました。併せて水回り設備のリニューアルと、外壁の塗装を計画して、将来の不安をなくし安心して住める家変わりました。A様は学者だった父の膨大な蔵書を片付けながら、子供夫婦がご実家を引き継ぐことになり安堵した様子でした。広い庭も雑草が生い茂り荒れ放題でしたが、お嫁さんがあれこれと片づけを考えておられた姿が印象的でした。
祖父母が建てた家を孫が引き継ぐことで、建物の再生ができ安心して暮らすことができました。この二つの事例から、若い方が新築住宅にとらわれることなく、住まいの特徴や使いやすさ・性能・安心・コストを考え、将来の人生設計を立てていく姿勢に時代の移り変わりを感じました。
3枚引き戸の内1枚分を耐力壁にする
耐震補強金物の一例
N様邸 屋根瓦葺き替え工事
アルミサッシが入っていた窓を耐力壁にする。アルミサッシが入っていた窓を耐力壁にする。