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No.24 城下町高取(奈良県)

/ 100年住宅を考える

城下町高取を見下ろす高取城は、高さ584m、城内周囲3km 郭内周囲30kmの大規模な山城である。

 

 

 

大和平野から見える高取城は美しく、「巽高取雪かと見れば 雪でござらぬ土佐の城」と謳われた。その麓に土佐街道が走り、最寄りの壺坂駅から1kmに渡り古い町並みが残っている。昔、大和朝廷の都造りにかり出された土佐(高知県)の民は、その後の政変で帰郷できなくなり、やむをえず住み着いた。という歴史がある。そのため町には土佐を冠した地名が多い。土佐街道もその一つだが、街道沿いには商家や武家屋敷など、江戸から明治にかけて建てられた重厚な建築物が残っていた。

 

  

 

高取の城下町を歩いてみる。

近鉄吉野線の壺阪山駅前を横切る土佐街道を右折。今は石畳に舗装された道の両側を山から湧きでる水路が走る。昔から火事の際にはこの水路を堰き止め消火に使ったそうだ。両側を古い民家が連なり、生活の臭いがするのもこの水路があるからだろうか。嘗ての呉服店を観光案内所に使っている夢創館に入った。町の歴史を紹介するコーナーがあり、城の櫓が写っている明治23年撮影の写真が掛けられてあった。当時、老朽化が激しく、取り壊す前の城を撮影したものだろう。

 

その中にあって、ひときわ目立つ石川医院の長屋門は下屋敷の重厚な門が移築された状態のまま残っていた。壁には診療時間や注意書きの案内がところかまわず賑やかに掛けてある。敷居をまたぐと中庭があり正面に石造りの洋館が建って、今も診療所になっている。小さな受付の窓口が懐かしい時代を語っていた。中庭には床几が置かれ、近所の人が長話をしても差し支えない。奥にはこじんまりした庭園があり静かな時間を守っている。病気でなくても訪ねたくなる。

  

少し先を行くと、薬の町で栄えてきた面影が残る建物を見つけた。千本格子に漢方薬と板に書かれた築150年の建物には悠然と時代を過ごしてきた風格が感じられる。今も現役だからだろうか。ここにもカラフルな看板が並んでいたが、不調法と感じさせない落ち着きがある。

 

 

やがて町屋から武家屋敷が多くなり長い土塀が続く。窓の格子が横向きの与力窓が付いている大きな長屋門がある。奥の玄関横にはのぞき穴があった。昔、訪れる人を確認していたのであろう。その隣に旧高取藩筆頭家老の屋敷があった。現在は旧藩主植村氏の居宅になっている。その長屋門の壁には斬新なデザインのなまこ壁が綺麗に残っていた。いずれも手入れがよいので時代の臭いがする。住みつなげているから伝わってくる優しさと時の重みがこの町の魅力だ。

 

 

 

 

 そこから先は城に登る道が続いていた。草木が繁殖し、今は昔の感が強いが、立派な縄張りに感心した。城跡からは360度のパノラマが広がり当時は諸国に睨みを効かせていたのであろう。小さな歴史探訪が楽しめる町である。

 

【POCO Vol.23 百年住宅を考えるより】

 

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