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No.23 倉敷の建築

/ 100年住宅を考える

倉敷は地の利を生かし400年にわたりユニークな街文化を作ってきた。

江戸時代は天領となり、港町として物資の中継地点で栄えた。明治時代は倉敷紡績を代表とする繊維産業で近代化を実現した。現在は観光地としてユニークな文化を発信し続けている。

歴史的景観が残る美観地区は平日も観光客でにぎわい衰えを知らない。その街並みを人通りが少ない早朝に歩いてみた。

 

 

有名な倉敷川沿いの景観を抜け、鶴形山の南麓を東西に蛇行している街道を本町通りから東町通りへ気ままに散策した。街道を縦横に走る路地や裏通りがこの美観地区を立体的に支えていることがよくわかった。

街道の両脇を流れるように右へ左へ弯曲する美しい街並みが独特な風情を出している。それは街並みの1階と2階のコントラストの連続性にあると思う。1階は良質の木材を使って格子窓、玄関、外壁仕上げ材などを個性豊かに作っているのに対して、2階外壁と屋根はモノトーンの瓦や漆喰で作られている。このしつらえにより工芸品を見ているかのように繊細で上品な街並みが出来上がっている。

路地裏に入ると住居の出入り口や窓があり、生活が見える場所だが、手入れが行き届いている。例えば瓦タイルと漆喰だけでつくるシンプルな庇や、奥行きの浅い玄関口をおしゃれにしつらえてあり、狭い通りだが、邪魔にならないように工夫されているのがわかる。

路地裏から裏通りに出ると両側に立派な蔵が建ち並び静かな緊張感が走った。敷地に蔵がたくさん建つから倉敷と呼ばれた理由がよくわかる。蔵の外壁は白漆喰で仕上がっているが、外壁の角や、窓回り、腰壁、庇と壁の立ち上がりなど傷みやすいところは瓦タイルが張られ、単調な外壁を楽しく見せている。

この瓦タイルはもともと傷みやすい所に張って外壁の寿命を長くする役目で使われていた。ところがこのような使い方でデザイン的にも評価が高まったと見るべきであろう。割れたタイルを取り替え、長い年月をかけて手入れされているのがわかる。色合いの違うタイルが所々使われているのは修理の時期が違うからである。

倉敷の建物は新と旧、白と黒、日向と影、明かりと闇、の陰翳が混ざり奥深い伝統の粋が様々な声で聞こえてくるような気がする。

400年繁栄を続けてきた町の力が美術館や博物館など周辺を巻き込み、倉敷の文化形成に貢献している。それを可能にしたのは本当の豊かさの追求と地道な積み重ねの努力と言える。そんなしっかりした生活感が懐かしむ心を誘う。

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