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No.22 大きなうだつのある城下町<徳島県 脇町>

/ 100年住宅を考える

うだつの町並み  吉野川の中程にある脇町の南町通りには、江戸・明治時代、藍商で栄えた商家が軒を連ねている。街道に面して平入りの家が並んでいるせいだろうか少し屋根が低いように感じる。大きなうだつが下屋の上に1m程出っ張って立っている。1階の格子窓、2階の虫籠窓、農業倉庫に展示されている うだつの模型漆喰の白壁にうだつが入ることで景観に動きを感じる。
  うだつの起原は猛威をふるった大火にあった。いったん火事がおこると軒下を伝わって隣家に延焼し大火となることが多かった。なんと江戸時代に10回も被災している。内2回は町の8割方が燃えた。その恐怖心から大きく頑丈なうだつを作ることになったのであろう。
二階の格子と うだつ  町の農業倉庫に原寸大のうだつが展示されていた。なるほど立派な防火壁である。うだつが建ちだして大火がなくなった。
  その倉庫の隣に集会場のような建物があった。漆喰の白壁に脇町立図書館と白い浮き字で控えめに書いてある。入口がわからず路地裏を進むと、新しい格子窓や漆喰壁が続き町並みの続きを楽しく見せてくれる。やがて雁行の屋根が広がり広場に出ると、正面に大きな長屋門が現れ、ここが正面玄関であることがわかった。商家を上手に増改築して図書館に活用している。正面玄関から見る図書館は、格子をイメージしたサッシと柱に取り入れたうだつのデザインが脇町の町並みを斬新に取り入れていた。
  中に入ると受付の可愛い女性が笑顔で迎えてくれた。郷土史のコーナーを尋ねると奥まで案内してくれた。司馬遼太郎の「街道をゆく」が表紙を上にして置かれてあり付箋が付いてある。左:図書館  右:農業倉庫ページをめくると脇町のことが10ページほど書かれてあった。その中に徳島でもこの脇町だけは違っている。と特別な思いをもって書いている。
  内部の作りもどことなく町並みを歩いているみたいで心地よい。うだつをデザインした飾りが柱と天井に連続しているのも良い。小学生や中学生が静かに勉強していた。帰りは正面の長屋門をくぐって中道通りに出た。振り返ると大きな塀に小さな民家の入口が二つ並んで昔ながらの景観を守っている。裏の入口と同じように白漆喰の中に白い浮き字で脇町立図書館とあった。町並みに溶け込む新郎新婦
  そこからうだつのある中学校へ向かった。大谷川を渡り少し高台に登ると脇町中学校の運動場にでた。正面にうだつのある校舎が聳える。本瓦葺きの屋根が美しい。正面の玄関がまた素晴らしい。美術館の建物かと思うほど立派な校舎である。うだつと虫籠窓、本瓦葺き、漆喰壁。見事な日本建築美である。こんな学校で学べばうだつも上がることだろう。玄関のガラス戸から見る内部は木造校舎の造りで吹き抜けになっていた。
脇町中学校玄関  うだつの町並みに戻ると、記念写真を撮っている婚礼着姿のカップルがいた。聞けば10年後、20年後ここでまた写真を撮りたいと言う。町は今のままの姿で迎えてくれることだろう。うだつは大火から町を守っただけでなく。脇町の歴史を理解し共に生きている人々をしっかり見守っていることがわかった。立派なうだつを見上げながら歩いていたせいだろうか心地よい街道の散策ができた。

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