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No.14 母の茶室<綾部市>

/ 100年住宅を考える

80歳の大工が 最後にした仕事

茶室綾部市の旧町並みを散策していると、まだ新しいが古びた造りの家が目に留まった。
  萱門の屋根に映える美しい軒しのぶ。門から続く踏み石には水が打たれていた。一見普通の民家だが、窓から見える二階和室の欄間のデザインと外壁の小さな飾り窓の組子の具合に驚いた。よく見ると、格子窓の組子に使い古しの茶杓が使われていた。

 玄関に人の気配がしたので、声をかけてみた。
  割烹着姿で出てこられた奥様は、明日からここで行われる茶会の準備に忙しくされていた。いくつかお尋ねしていると「中も見られますか」と上がらせて頂いた。
  見事な茶室に驚く。京都の上京区にある裏千家の茶室、又隠(ゆういん)を模して作らせたものだという。
 又隠《重要文化財》は未公開だが、年に一回だけ見せていただける日がある。

飾り窓と茶杓その時を狙って大工さんによく見てもらって作ったそうだ。入り口や窓の位置が違っているが造作などはできるだけ真似をしている。
 一階は茶室と水屋。二階に十畳の和室二間が教室として使われている。
  裏千家家元のお母様が八十一歳のとき、腕のよい大工に頼んで作ってもらった。熟練した八十歳の大工であったが、これを最後の仕事にしたという。半年がかりで作った家は所々に大工さんの工夫が詰まっている。思うようにしてもらえず喧嘩もしたが、頑固な大工に職人を見た。と麝嶋(じゃじま)和子さんは当時を振り返る。
 母はここで五年間茶道を教え九十一歳まで生きた。娘さんは母の意志を継いで協会の手伝いをしていらっしゃる。この茶室は自慢の空間である。こんな縁がないと典型的な利休四畳半を見せてもらうことはなかったであろう。
  建物は茶道の伝統と母の意志をしっかり抱いて、娘とともに生きている。

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